Heritage

創造の軌跡

モーターサイクルの可能性は、どこまで広げられるのか。

既成概念にとらわれることなく、機械としての合理性を追求し、独創的な技術と造形美をひとつに結びつける。イタリア リミニで生まれたヴァイルスの歴史には、理想のモーターサイクルを追い求めてきた、ひとりの技術者の情熱が息づいています。

フレーム製作の現場で磨かれた技術、レースで培われた経験、そして職人の手によって生み出される特別な一台。小さな工房から始まったその歩みは、やがて世界のモーターサイクル愛好家を魅了する、独創的なブランドへとつながっていきました。

すべては、ひとりの技術者の探究心から。

アスカニオ・ロドリーゴ
アスカニオ・ロドリーゴ

ヴァイルスの創業者、アスカニオ・ロドリーゴ。その技術者としての原点は、イタリアのフレーム製作者デルヴィス・マクレッリが率いた工房 DEMAにあります。

マッシモ・タンブリーニとも関わりを持ち、数々のモーターサイクルを手がけてきたマクレッリ。そのもとで技術を学び、さらにBimotaで経験を重ねたロドリーゴは、車体構造の奥深さと、設計によって走りを変える可能性を追求していきます。

1985年1月、自らの工房を設立。

その仕事は、既存のモーターサイクルに手を加え、さらなる性能と完成度を引き出すことから始まりました。

レーシングマシンのセッティングや改良、フレーム構造の変更、カウルの製作、エンジンのポート加工。手がける領域は次第に広がり、レースのための性能追求から、特別な一台を望む顧客の要望に応える製作まで、多岐にわたる仕事を担うようになります。

完成された製品をそのまま受け入れるのではなく、自らの技術によって新たな可能性を引き出す。

その積み重ねの中に、後のヴァイルスへとつながる、独創的なものづくりの原点がありました。

サーキットで磨かれた、揺るぎない技術。

理想を追い求める探究心は、レースの世界へも向けられました。

アスカニオ・ロドリーゴ自身、スーパーツインズやバトル オブ ザ ツインズのカテゴリーで、ヨーロッパ選手権やイタリア選手権に参戦。1998年と1999年には選手権タイトルを獲得しています。

サーキットは、技術の真価が問われる場所。車体の構造、各部の精度、走行性能を左右する機構のひとつひとつ。競技の現場で積み重ねられた経験は、工房で培われてきた技術をさらに磨き上げていきました。

やがて、その仕事は国境を越えて知られるようになります。

日本、アメリカ、ヨーロッパ各国、そしてイタリア国内から寄せられる、特別なモーターサイクルの製作依頼。

そこには、大量生産される車輌とは異なる価値を求め、自らの理想をかたちにするためにロドリーゴの技術を必要とする人々がいました。

一台ごとに異なる要望と向き合い、培ってきた知識と経験を注ぎ込む。その仕事を通じて、工房は独自の技術と創造力をさらに深めていきます。

2002年。ひとつの理想が、姿を現す。

長年にわたって磨き上げてきた技術と、レースで培われた経験。それらが新たなかたちとなって結実したのが、2002年に製作された984のプロトタイプでした。

他のメーカーが生み出したモーターサイクルを改良する仕事から、自らの設計思想によって一台のマシンを創り上げることへ。

その転換を象徴する984には、従来のテレスコピック フォークとは根本的に異なるハブセンター ステアリングが採用されました。

ステアリングとサスペンションの機能を独自の構造によって成立させる機構。複雑なメカニズムを隠すことなく、機能そのものを造形の一部として表現した、類まれなモーターサイクル。

展示会で披露された984は大きな反響を呼び、世界各地から問い合わせと注文が寄せられました。

工房で積み重ねられてきた技術と経験が、独自のモーターサイクルとして認められた瞬間。

この成功を契機に、ヴァイルスは自らの名を冠したモーターサイクルを生み出すメーカーとして、新たな歴史を歩み始めます。

機械としての合理性。その先にある美しさ。

フレーム製作の工房から始まり、レースの世界で技術を磨き、独自のモーターサイクルを生み出すメーカーへ。

その歩みの中で培われてきたのは、機能と造形を切り離すことなく、ひとつの完成された機械として追求する姿勢です。

複雑に組み合わされたリンク機構、独創的なフレーム構造、細部に至るまで磨き上げられた金属の質感。ヴァイルスのモーターサイクルには、機械が本来持つ構造美と、職人の手による精緻な仕事が息づいています。

最先端のエンジニアリングを追求しながら、一台一台を手作業で仕立てる。その製作思想は、1985年の工房設立以来、受け継がれてきた技術と経験の延長線上にあります。

イタリア リミニから世界へ。

技術への情熱と、理想を追い求める飽くなき探究心。ヴァイルスの歴史は、独創的なモーターサイクルを生み出す挑戦とともに、今も刻まれ続けています。

ヴァイルスを支える人々

一台のモーターサイクルを生み出すために結集する、さまざまな分野の専門技術と経験。エンジニア、技術者、職人たちがそれぞれの知識と創造力を持ち寄り、革新的な発想を確かな機構へと結びつけていきます。

高度なエンジニアリングと、人の手による精緻なものづくり。その融合を支える人々の情熱が、ヴァイルスの独創性をかたちづくっています。

Ascanio Rodorigo
Ascanio Rodorigo
Francesco Fontanot
Francesco Fontanot
Gianluca Villa
Gianluca Villa
Gianmaria Liverani
Gianmaria Liverani
Riccardo Ricci
Riccardo Ricci
Roy Ten Napel
Roy Ten Napel
Serafino Foti
Serafino Foti
Ascanio Rodorigo – Dakar
Ascanio Rodorigo – Dakar

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