Push Rod Suspension
プッシュロッド サスペンション
サスペンションの性能を追求するうえで重要となるのは、路面から伝わる力を適切に受け止め、車体の動きを精緻に制御すること。そして、その機能をいかに合理的な構造によって実現するかという設計思想。
ヴァイルスが採用するプッシュロッド式サスペンションは、独創的なリンク機構によって、作動特性の最適化と構造の軽量化を追求しています。

独創的なダブルプッシュロッカー機構
このサスペンションの特徴は、スイングアームに連結された2本のコネクティングロッドと、それぞれに対応するロッカーアームによって構成される独自の機構。
スイングアームの動きは2本のロッドを介してロッカーアームへ伝達され、サスペンションを作動させます。
左右に配置されたロッドが対称的に力を伝えることで、荷重の偏りを抑え、安定した作動バランスを確保。さらに、リンク機構の幾何学的な関係によって、サスペンションのプログレッシブ特性を設定しています。
プログレッシブ特性とは、サスペンションのストローク量に応じて、ホイールの動きとショックアブソーバーの変位量との比率が変化する特性のこと。
ストロークに伴う反力の変化を設計するうえで重要な要素であり、路面追従性と車体姿勢の安定性を両立させるための基礎となります。
合理的な構造がもたらす軽量化
サスペンション機構では、荷重を適切に伝達することに加え、構成部品に生じる不要な負荷を抑えることも重要です。
ヴァイルスのダブルプッシュロッカー機構は、左右のアームへ対称的に力を伝達することで、可動部に生じるねじれの抑制を追求しています。
荷重の伝達経路を合理的に設計することは、各部品に必要な強度と剛性を確保しながら、構造をコンパクトにまとめるうえでも有効です。
こうした設計によって、スイングアームを含む構成部品の小型化と軽量化を図り、車体全体の効率的な設計へと結びつけています。
走行条件に応じたセッティングの自由度
ダブルプッシュロッカー機構のもうひとつの特徴が、サスペンション特性の調整に対する柔軟性。
ロッカーアームは短時間での交換が可能な構造となっており、リンク機構の設定を変更することで、プログレッシブ特性を調整できます。
サスペンションの動き方を決めるリンク比を変更することで、ストロークに応じた反力特性を変化させ、走行条件やライダーの要求に応じたセッティングを追求することが可能です。
路面からの入力に対する応答性、車体姿勢の変化、サスペンションの作動特性。それぞれの関係を考慮しながら、目的に応じた設定を導き出すための機構です。
機能から導き出される独創的な構造
2本のコネクティングロッドとロッカーアームによる荷重伝達、左右対称の構造による作動バランス、そしてプログレッシブ特性を調整できる設計。
それぞれの機能を合理的に組み合わせることで、サスペンション性能と構造の軽量化を追求するヴァイルスのエンジニアリング。
複雑な機構を採用すること自体ではなく、求める性能を実現するために、最適な構造を導き出す。
その設計思想が、ヴァイルスならではの独創的なサスペンション機構に息づいています。